
親が亡くなり、実家を相続することになったとき、
「兄弟で共有名義にしたほうがいいの?」
「共有名義にはどんなメリット・デメリットがある?」
「とりあえず共有名義にしても大丈夫?」
このような疑問を抱える方は少なくありません。
この記事では、共有名義のメリット・デメリットを分かりやすく解説するとともに、「とりあえず共有名義」を避けたほうがよい理由や、後悔しない遺産分割のコツについてご紹介します。

父が亡くなり、さいたま市の実家を相続することになりました。
私は管理が大変なので売りたいですが、弟は残したいと言って話が進みません。

ご長男として責任を感じていらっしゃいますね。
相続不動産は分けにくく、兄弟で意見が合わないことはよくあります。

相続税の期限も迫っているので焦っています。
これ以上揉めずに手続きを終わらせたいのですが、ひとまず共有名義にしておけば安心でしょうか。

実は、その「とりあえず共有名義」が、将来さらに大きなトラブルにつながることがあります。
まずは、共有名義のメリット・デメリットと、本当に共有名義が最適なのかを一緒に見ていきましょう。

- 1. 兄弟での実家相続はなぜ揉めやすいか
- 2. 実家を相続するとかかる費用
- 3. 共有名義・共有者・共有持分とは
- 4. 遺産分割前に相続登記をすると共有名義になる
- 5. 共有名義と単独名義の違い
- 6. 「とりあえず共有名義」の危険性
- 7. 共有名義の10のデメリット
- 8. 共有名義にするメリット
- 9. タイムリミットは10か月!相続税の特例を受けるには早めの話し合いが重要
- 10. 実家の相続は「名義」を決める前に「活用方法」を考えましょう
- 10.1. 1.実家に住む人が単独で相続する「現物分割」
- 10.2. 2.実家を相続する人が、ほかの相続人に現金を支払う「代償分割」
- 10.3. 3.実家を売却し、代金を分ける「換価分割」
- 10.4. 4.一人が単独で相続し、賃貸に出す
- 10.5. 5.すぐに結論を出さず、一定期間保有する
- 11. 今回の相談例では、どのような方法が考えられる?
- 11.1.1. 弟が実家に住みたい場合
- 11.1.2. 弟は住まないが、実家を残したい場合
- 11.1.3. 兄弟のどちらも住まない場合
- 12. 大切なのは「共有名義か単独名義か」だけで決めないこと
- 13. どの方法が最適かは「実家の価値」が分からないと判断できません
- 14. 話し合いは「感情」ではなく「数字」が大切
- 15. まずは実家の査定から始めませんか?
- 16. 相続の理解が深まる!この記事のまとめ
- 17. よくあるご質問(FAQ)
兄弟での実家相続はなぜ揉めやすいか
不動産は現金のように均等に分けることができないため、相続では特にトラブルになりやすい財産です。
財産の多くが実家というケースでは、「誰が相続するのか」「代わりに何を受け取るのか」で兄弟姉妹の意見が分かれることも少なくありません。
例えば、実家を弟が相続し、その代わりに兄が現金を受け取る方法もあります。
しかし、十分な現金がなく、そのような分け方ができないケースが多くあります。
また、親と同居していた方と、独立して暮らしていた方では、実家に対する思いや考え方も異なり、話し合いがまとまらないこともあります。
結果遺産分割が進まず、空き家が放置されたり、固定資産税だけが発生し続けるケースも珍しくありません。
こういった状況もあり、不動産の相続は多くのご家庭が悩む問題です。
安易に判断するのではなく、それぞれの状況に合った方法を選ぶことが大切です。
実家を相続するとかかる費用
実家を相続すると、「相続税はかかるのだろうか」と不安に感じる方も多いでしょう。
相続税は、被相続人(亡くなった方)の遺産総額から債務などを差し引いた金額が、基礎控除額を超えた場合に課税されます。
基礎控除額は、次の計算式で求められます。
基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例えば、法定相続人が配偶者と子2人の計3人であれば、基礎控除額は4,800万円です。遺産総額が4,800万円以下であれば、原則として相続税はかかりません。
しかし、近年は地価が上昇傾向にあります。
特にさいたま市の地価は5年連続で上昇しており、住宅地は前年比+2%、商業地は同+3%の伸びを記録(県政ニュース)しています。
さいたま市大宮区下町に至ってはなんと前年より10%の上昇率です(東洋経済オンライン)。
交通利便性の高さや都心からの人口流入が背景もあり、「実家だけで基礎控除額を超えてしまう」ケースも増えています。
「相続税はかからないだろう」と思い込まず、まずは実家を含めた財産全体の価値を把握することが大切です。
そのうえで相続税がかかるのか、誰が実家を相続するのか、どの方法が最適なのかを検討していくことが、円満な相続につながります。

※当センター(さいたま大宮不動産相続相談センター)では、相続財産診断(現状分析・シミュレーション)が可能です。
詳しくは相続財産診断(現状分析・シミュレーション)をご確認ください。
共有名義・共有者・共有持分とは
話を進める前に、本文で頻出する用語について解説します。
【共有名義とは】
共有名義とは、1つの不動産を2人以上で所有している状態のことです。
登記簿には複数の名義人が記載されます。なお、所有者が1人だけの場合は「単独名義」といいます。
【共有者とは】
共有者とは、共有名義となっている不動産の所有者のことです。登記されている名義人全員が共有者となります。
【共有持分とは】
共有持分とは、共有者それぞれが持つ所有権の割合を指します。
例えば、夫婦が持分を半分ずつ所有している場合、それぞれが不動産の半分の権利を持っていることになります。
共有持分の割合は、不動産の登記簿(登記事項証明書)で確認することができます。
共有者は、それぞれの共有持分に応じて、不動産から得られる家賃などの収益を受け取る権利があると同時に、固定資産税や維持管理費などの費用を負担する義務も負います。
ただし、共有名義だからといって不動産そのものが物理的に分けられているわけではありません。
例えば持分が半分あっても、家の半分や土地の半分を自由に使えるという意味ではなく、不動産全体に対する権利を一定の割合で共有している状態です。
そのため、不動産を売却したり大きく活用したりする際には、共有者同士の話し合いが必要になります。
遺産分割前に相続登記をすると共有名義になる
遺言書がなく、まだ相続人全員で遺産分割協議をしていない場合、法定相続分(民法で定められた持ち分)に従って相続登記を行うことができます。
ただし、この持ち分はあくまで法律上の基準であり、その後、相続人全員の合意があれば異なる割合で遺産を分けることも可能です。
例えば、相続人が配偶者と子ども2人の場合は、
- 配偶者:2分の1
- 子ども:各4分の1
という持分で、相続人全員の共有名義となります。
なお、この相続登記は「保存行為」とされているため、相続人のうち1人だけでも申請することが可能です。
この時遺産分割協議書や他の相続人の実印・印鑑証明書は必要ありません。戸籍類など、相続関係を証明する書類は必要です。
そのため、相続登記の義務化により期限が迫っている場合などは、まず法定相続分で登記を済ませる方法が選ばれることもあります。
共有名義と単独名義の違い
次に、共有名義と単独名義の違いを分かりやすく表にします。
| 項目 | 共有名義 | 単独名義 |
|---|---|---|
| 所有者 | 2人~ | 1人 |
| 登記方法 | 法定相続分または遺産分割協議で決定 | 遺産分割協議で1人に決定、または遺言で指定 |
| 売却 | 原則、共有者全員の同意が必要 | 所有者が単独で決定できる |
| 短期賃貸 | 共有持分の過半数で決定 | 所有者が単独で決定できる |
| 大規模修繕・建替え | 原則、共有者全員の同意が必要 | 所有者が単独で決定できる |
| 持分のみの売却 | 自分の持分のみ売却可能(買い手が見つかりにくい) | 該当なし |
| 登録免許税(相続登記) | 固定資産税評価額 × 0.4% | 固定資産税評価額 × 0.4% |
※共有名義は「複数人で所有する安心感」がある一方で、売却や建替えなど重要な判断をする際は共有者との合意が必要になるため、将来的なトラブルにつながるケースもあります。一方、単独名義は所有者が自由に判断できるため、管理や処分がしやすいという特徴があります。
「とりあえず共有名義」の危険性
遺産産分割の話し合いがまとまらないからといって、「ひとまず兄弟で共有名義にしておこう」と考える方は少なくありません。
共有名義は、一見すると公平で円満な解決策に思えるかもしれません。
しかし、不動産は現金のように簡単に分けられないため、一度共有名義にすると、売却や賃貸、建て替えなどの重要な判断を共有者全員で行う必要があります。
さらに、時間の経過とともに家族構成や生活環境は変化します。
相続や結婚、転居などによって共有者が増えたり、意見がまとまらなくなったりすると、不動産を自由に活用できなくなるケースもあります。
そのため、「今は問題ないから」という理由だけで共有名義を選択すると、将来のトラブルにつながる可能性があります。
共有名義の代表的なデメリットを見ていきましょう。
共有名義の10のデメリット
- 売却・建て替えが自由にできない
不動産を売却したり建て替えたりするには、原則として共有者全員の同意が必要です。1人でも反対すると手続きを進められません。 - リフォームや賃貸など活用に制限がある
大規模なリフォームや長期間の賃貸なども、共有者の同意が必要です。空き家を活用したくても、話し合いがまとまらないと何もできません。 - 住んでいなくても費用を負担しなければならない
実家を利用していなくても、固定資産税や修繕費などを共有持分に応じて負担する必要があります。 - 他の共有者の滞納や管理不足に巻き込まれる
共有者が税金や管理費を支払わない場合、立て替えや請求が必要になり、トラブルへ発展することがあります。 - 特定の共有者が住み続けても簡単に解決できない
兄弟の一人だけが実家に住み続けていても、他の共有者が自由に退去を求めることはできません。 - 相続を繰り返すと共有者が増え続ける
共有者が亡くなるたびに持分が相続され、子どもや孫へ承継されます。世代が変わると共有者が増え、話し合いが非常に困難になります。 - 認知症や離婚などで手続きが止まる
共有者の一人が認知症になると、売却や建て替えが進められなくなることがあります。また、離婚など家族環境の変化もトラブルの原因になります。 - 持分だけが第三者へ売却されることがある
共有者は自分の持分だけなら自由に売却できます。その結果、知らない第三者や買取業者が共有者になるケースもあります。 - 家賃や利用方法を巡って揉めやすい
誰が住むのか、賃貸に出すのか、家賃をどう分けるのかなど、共有者同士で意見が対立しやすくなります。 - 家族関係が悪化しやすい
共有名義では意思決定を何度も行うため、お金や不動産をきっかけに兄弟・親族間の関係が悪化してしまうケースも少なくありません。
このように、共有名義は一時的な解決策にはなっても、将来的なトラブルの原因になりやすいという側面があります。
時間の経過とともに売却も活用も難しくなり、結果として「負動産」となってしまうケースも少なくありません。
「とりあえず共有名義にしておこう」という安易な判断は避け、将来を見据えた相続方法を今一度検討することが大切です。

共有名義にすると、そんなに大変なんですね…。
弟は「実家を残したい」と言っているので、一旦共有名義にしておけば納得できそうな気もするのですが…。

一見すると公平な解決策に思えますが、将来を考えると注意が必要です。
もし、弟様が先に亡くなられた場合、その持分は弟様のお子様など相続人へ引き継がれます。
その後、改めて「実家を売りたい」「賃貸に出したい」と思っても、新たな共有者全員の同意が必要になるケースがあります。
当初は兄弟だけの話だったものが、世代をまたいで権利関係が複雑になり、話し合いがさらに難しくなることも少なくありません。
共有名義にするメリット
ここまで共有名義のデメリットをご紹介しましたが、共有名義にもメリットはあります。
ただし、そのメリットがすべての方に当てはまるとは限りません。状況によっては、メリット以上にデメリットのほうが大きくなるケースもあります。
- 相続人全員が納得しやすい
実家を1人が相続すると、「不公平ではないか」と感じる相続人が出ることがあります。
共有名義にすれば、全員が持分を取得できるため、遺産分割協議がまとまりやすいケースがあります。 - 維持費を分担できる
固定資産税や修繕費、火災保険料などの維持管理費を、共有持分に応じて分担できます。
1人に費用負担が集中しない点はメリットといえるでしょう。 - 相続税の負担を軽減できる場合がある
配偶者や同居親族など一定の要件を満たす場合は、「小規模宅地等の特例」が利用でき、相続税を大きく軽減できることがあります。
ただし、この特例は共有名義だから利用できる制度ではなく、相続人ごとの要件を満たす必要があります。
共有名義を選択する前に、税理士に試算を依頼するのが安全です。 - 賃貸物件なら家賃収入を分けられる
アパートやマンションなどの収益不動産では、持分に応じて家賃収入を分配できます。
一方で、修繕費や管理方法、家賃の分配を巡ってトラブルになることもあるため注意が必要です。 - 相続登記を早く進められる場合がある
遺産分割協議がまとまっていない場合でも、法定相続分で共有名義の相続登記を行えば、相続登記の義務を果たすことができます。
ただし、その後に遺産分割がまとまれば、改めて名義変更の手続きが必要になります。
共有名義は、「今の手続きを進めやすくする」というメリットがあります。
一方、安易に売却や建て替えができない、共有者が増え続けるなど、将来のトラブルにつながる可能性もあります。
将来まで見据えた名義の持ち方を検討することが大切です。

共有名義にもメリットがあることは分かりました。
でも、私たちの場合は共有名義がいいのか、単独名義の方がいいのか判断が難しいです…。

相続は「共有名義が正解」「単独名義が正解」と一概には言えません。
ご家族の希望や不動産の価値、相続税、将来その家を残すのか売却するのかなどによって、最適な方法は変わります。
まずは現状を整理し、それぞれの選択肢を比較したうえで判断することが大切です。
タイムリミットは10か月!相続税の特例を受けるには早めの話し合いが重要
相続税の申告・納税には、相続開始を知った日の翌日から10か月以内という期限があります。
この期限が近づいても遺産分割がまとまらないと、
「時間がないから、とりあえず兄と弟で2分の1ずつ共有名義にしておこう」
という判断をされるご家族も少なくありません。
しかし、前述のとおりこの「とりあえず共有名義」が、将来大きなトラブルにつながることがあります。
結果的に、
- 売却したいのに全員の同意が得られない
- 誰が持分を持っているのか把握できない
- 手続きが複雑になり、不動産を活用できなくなる
といったケースも、実際の相続では珍しくありません。
一方で、10か月という期限までに遺産分割がまとまらないと、家の土地の評価額を最大80%も減額できる「小規模宅地等の特例」(※適用には面積や同居要件など一定の条件があります)や「配偶者の税額軽減」など、相続税を大きく軽減できる特例を当初の申告で利用できない場合があります。
その結果、本来より高い相続税を一旦納付しなければならず、一時的に大きな資金負担が生じるケースもあります。
そのため、早い段階で
- 不動産の価値
- 相続税の試算
- 実家を今後どのように活用するか
- 遺産分割をどのように行うか
を整理し、ご家族全員で話し合うことが重要です。

第三者である専門家が間に入り、不動産の査定額や相続税の試算といった客観的な資料をもとに話し合うことで、ご家族全員が納得しやすくなり、期限内の円満な相続に繋がりやすくなります。
実家の相続は「名義」を決める前に「活用方法」を考えましょう
実家を相続するときは、まず「実家を今後どうするのか」を考え、そのうえで「誰の名義にするのか」を決めることが大切です。
実家の主な活用方法には、次のような選択肢があります。
- 相続人の誰かが住む
- 売却して現金にする
- 賃貸に出す
- 空き家として保有する
- 建物を解体し、土地として活用・売却する
一方、「単独名義にする」「共有名義にする」というのは、不動産の活用方法ではなく、所有権を誰が持つかという問題です。
例えば、実家を残す場合でも、兄弟の共有名義にする方法だけでなく、実家に住む弟が単独で相続する方法があります。
また、実家を売却する場合も、相続人全員で売却して代金を分ける方法や、いったん一人が相続したうえで売却する方法などがあります。
このように、実家の相続では、まず「実家を今後どう活用するか」を決め、そのうえで名義をどうするかを検討することが大切です。
ここからは、代表的な相続方法や実家の活用方法をご紹介します。
1.実家に住む人が単独で相続する「現物分割」
相続人の一人が実家に住み続ける場合は、その人が実家を単独で相続する方法があります。これを「現物分割」といいます。
例えば、弟が実家に住み続けたいのであれば、弟の単独名義にし、兄は預貯金など別の財産を相続します。
単独名義であれば、将来の修繕や建て替え、売却などを所有者自身の判断で進めやすくなります。
ただし、実家以外に十分な財産がない場合は、実家を相続する人と、ほかの相続人との間で取得額に差が生じることがあります。
2.実家を相続する人が、ほかの相続人に現金を支払う「代償分割」
実家を残したい人が単独で相続し、その代わりに、ほかの相続人へ代償金を支払う方法です。
例えば、実家の価値が3,000万円で、兄弟2人が相続人の場合、弟が実家を単独で相続し、兄に1,500万円相当の代償金を支払うといった形です。
この方法であれば、実家を共有名義にせず残しながら、兄弟間の公平性を調整できます。
ただし、実家を相続する人に代償金を支払えるだけの資金が必要です。
また、不動産の評価額をいくらとするかによって意見が分かれることもあるため、事前に査定や税務上の評価を確認することが重要です。
3.実家を売却し、代金を分ける「換価分割」
相続人の誰も実家に住む予定がない場合や、実家を公平に分けたい場合は、実家を売却し、売却代金を相続人で分ける方法があります。これを「換価分割」といいます。
例えば、実家を3,000万円で売却し、売却費用などを差し引いた残額を兄弟で2分の1ずつ分けます。
不動産を現金に換えるため、分配しやすく、誰が実家を取得するかという問題を解消しやすい方法です。
ただし、売却価格や売却時期について相続人全員の意見をそろえる必要があります。
また、実家に住んでいる相続人がいる場合は、退去時期や住み替えについても話し合わなければなりません。
4.一人が単独で相続し、賃貸に出す
実家をすぐに売却せず、賃貸物件として活用する方法もあります。
この場合、管理や契約を進めやすくするため、賃貸経営を行う人の単独名義にすることが考えられます。
家賃収入は、その不動産を所有する人の収入となります。
一方、兄弟の共有名義のまま賃貸に出すと、家賃の分配方法、修繕費の負担、入居者募集や管理会社の選定などについて、共有者間で継続的な話し合いが必要になります。
そのため、賃貸に出す場合も、「誰が管理するのか」「収入と費用をどう扱うのか」まで決めておくことが大切です。
5.すぐに結論を出さず、一定期間保有する
気持ちの整理がつかない、将来住む可能性があるなどの理由から、すぐに売却せず保有する選択肢もあります。
ただし、誰も住まない実家を保有する場合でも、固定資産税、火災保険料、庭木の手入れ、建物の修繕などの費用が発生します。
空き家の期間が長くなるほど、建物の劣化や防犯上のリスクも高くなります。
一定期間保有する場合は、単に結論を先送りするのではなく、
- 誰が管理するのか
- 維持費を誰が負担するのか
- いつまでに売却・居住・賃貸を判断するのか
を決めておくことが重要です。
今回の相談例では、どのような方法が考えられる?
今回のように、兄は「売却したい」、弟は「実家を残したい」と考えている場合、次のような選択肢があります。
弟が実家に住みたい場合
弟が実家を単独で相続し、兄には預貯金など別の財産を多めに分ける方法があります。
預貯金などが少ない場合は、弟が兄へ代償金を支払う代償分割も考えられます。
弟は住まないが、実家を残したい場合
弟が単独で相続し、維持管理費を負担しながら保有する方法や、賃貸に出して活用する方法があります。
ただし、「思い出があるから残したい」という気持ちだけでなく、固定資産税や修繕費を継続して負担できるか、誰が管理するのかまで確認する必要があります。
兄弟のどちらも住まない場合
実家を売却し、売却代金を分ける換価分割が有力な選択肢となります。
弟が売却に反対している場合は、現在の査定価格、今後必要になる維持費、賃貸した場合の収支などを数字で比較すると、話し合いを進めやすくなります。
大切なのは「共有名義か単独名義か」だけで決めないこと
共有名義そのものが、必ずしも間違いというわけではありません。
兄弟で賃貸経営を行う目的があり、管理方法や費用負担、将来の売却方針まで合意できている場合は、共有名義が選択肢になることもあります。
しかし、実家を売るのか、残すのか、誰が管理するのかについて意見が分かれている状態で共有名義にすると、問題を解決するのではなく、先送りすることになりかねません。
まずは、
- 実家に住む人がいるのか
- 売却・賃貸・保有のどれを希望するのか
- 維持費や管理を誰が負担するのか
- 実家を一人が取得する場合、ほかの相続人との公平性をどう調整するのか
- 将来、売却や建て替えをするときに誰が判断するのか
を整理したうえで、現物分割・代償分割・換価分割・共有分割のどれが適しているかを検討しましょう。
どの方法が最適かは「実家の価値」が分からないと判断できません
例えば、実家の査定額が2,000万円なのか、3,500万円なのかで、兄弟間の代償金や相続税の負担は大きく変わります。
また、「思っていたより高く売れるなら売却したい」「この価格なら賃貸として活用したい」など、選択肢が変わることも少なくありません。

とりあえず共有名義にするしかないと思っていましたが、実家の活用方法や相続の方法はいろいろあることが分かりました。
まずは実家の価値を知って、兄弟でしっかり話し合ってみようと思います!

それが円満な相続への第一歩です。
実家を売るか残すかを急いで決める必要はありません。
まずは査定や相続税のシミュレーションで現状を把握し、ご家族に合った方法を一緒に考えていきましょう。
話し合いは「感情」ではなく「数字」が大切
相続では、「残したい」「売りたい」といった気持ちだけで話し合うと、どうしても平行線になりがちです。
一方で、
- 実家の査定価格
- 相続税の試算
- 売却した場合の手取り額
- 賃貸として活用した場合の収支
- 将来かかる維持費
といった客観的な数字があれば、ご家族全員が現実的な選択肢を比較しながら話し合うことができます。
「思っていたより高く売れるなら売却しよう」
「賃貸にしても採算が合わないなら売却しよう」
「代償金が支払えるなら単独名義にしよう」
数字をもとに判断することで、感情だけではまとまらなかった話し合いが前に進みやすくなります。
まずは実家の査定から始めませんか?
まず大切なのは、
- 実家はいくらの価値があるのか
- 相続税はどのくらいかかるのか
- どの分割方法が家族に合っているのか
を整理することです。
さいたま大宮不動産相続相談センターでは、さいたま市内に特化した不動産会社・税理士・司法書士などの専門家が連携し、
など、相続や不動産に関する様々なサポートを行っています。
これまで「まだ売却すると決めていない」「兄弟で意見がまとまっていない」といった初期段階のお悩みも多数承っております。
まずは実家の価値を知ることが、円満な相続への第一歩です。
査定は「売るため」にするものではありません。
相続で後悔しない判断をするために、まずは実家の価値を知ることが大切です。

相続の理解が深まる!この記事のまとめ
- 実家は現金のように分けることができないため、兄弟間でトラブルになりやすい財産である。
- 「とりあえず共有名義」にすることは、将来の売却や賃貸、建て替えなどの際に、大きなトラブルにつながる可能性がある。
- 共有名義・単独名義といった名義の持ち方だけでなく、「住む」「売る」「貸す」「保有する」など、実家を今後どのように活用するかを考えることが重要である。
- どの相続方法が適しているかは、実家の価値や相続税、ご家族それぞれの希望によって異なる。
- 感情だけで判断するのではなく、不動産査定や相続税のシミュレーションなど、客観的な数字をもとに話し合うことが、円満な相続につながる。
- 相続で後悔しないためには、「まず実家の価値を知ること」が第一歩。不安がある場合は、一人で抱え込まず、無料相談を活用するなど、早めに専門家へ相談してみる。
よくあるご質問(FAQ)
-
兄弟で実家を相続する場合、共有名義にしたほうがよいですか?
-
必ずしも共有名義が最適とは限りません。
共有名義は一見公平に思えますが、売却や建て替え、賃貸などを行う際には共有者全員の同意が必要になるため、将来的なトラブルにつながる可能性があります。
ご家族の状況に応じて、単独名義や換価分割なども含めて検討することが大切です。
-
実家の査定をしたら、必ず売却しなければいけませんか?
-
いいえ。査定は売却を前提としたものではありません。実家の価値を把握することで、相続税の試算や代償金の検討、ご家族での話し合いを進めやすくするための判断材料になります。
-
相続税がかかるか分からないのですが、相談できますか?
-
はい、可能です。
今の実家の価値(正確な査定額)を知ることで、売るか残すかの判断が客観的にしやすくなります。
お気軽にご依頼ください。
-
兄弟で意見がまとまっていなくても相談できますか?
-
もちろん可能です。「売りたい人」と「残したい人」で意見が分かれているケースは珍しくありません。
第三者が客観的な査定価格や相続税の試算を提示することで、ご家族が冷静に話し合えるようサポートいたします。
-
まだ相続登記をしていませんが、相談できますか?
-
はい。相続登記前でもご相談いただけます。
現在の状況を確認したうえで、相続方法や名義の持ち方、今後の手続きについて分かりやすくご案内いたします。
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